皆さんが医学部に合格し、医師として活躍するためには、大学で6年間しっかり医学を学び、卒業試験に合格し、その後に行われる年1回の医師国家試験に合格する必要があります。更に、合格後には2年間の臨床研修が待っています。すべてストレートに行っても、最短で8年の期間を要し、更に1人前の医師として活躍するためには、まだ何年もの年月が必要です。そういう事を踏まえ、医学部にはできる限り早く入学する事が望ましく、また大学側もそれを強く望んでいると言えます。但し、医学を学んでいく上においては、一定レベル以上の学力だけでなく、思考力も必要です。医学部入試は単に頭の良さを競う入試ではなく、医師になる為の入試であり、それぞれの大学が医師になる人を選抜する為の試験であるという事です。
医学部医学科の入学試験は教育カリキュラムの変更に伴い、増々厳しくなることが予想され、将来、医師として患者と向き合っていく「覚悟」、そしてその「自覚」が必要となります。
《以前と比べ合格しやすくなっている医学部入試》
少子化の影響を受けて、大学入試の志願者数は減少傾向が続いています。2024年度の大学入学共通テストの志願者数は、昨年度の512,581名から20,667名減少し491,913名になりました。大学入試センター試験時代を通して6年連続減少となりました。50万人を下回るのは32年ぶりと言われています。
現役生と浪人生の内訳を見ると、昨年度は現役生が85.2%、浪人生14.0%だったのに対して、今年度は現役生85.3%、浪人生13.9%となりました。昨年度より0.1ポイントアップし、過去最高の現役生占有率を更新しました。一方、浪人生は3,422名減少し、68,220名と7万人を下回り、浪人生の割合は年々減り続けています。
一方、医学部志願者の状況を見ると、国公立医学部の一般選抜に関しては、2023年度23,510名に対して2024年度23,036名で474名減少しました。ただ、前期日程試験でいえば、2023年度15,960名に対して2024年度15,973名で、13名の増加となり、前期に限れば、5年連続増加しています。前期志願倍率が4.48倍で、前期志願倍率の全学部平均が2.89倍ですから、医学部人気が高いことは数字の上からもわかります。25年度に新課程入試を控えているため、当初は安全志向の出願になるのではないかと予想していましたが、共通テストの平均点が上昇したことも追い風となり、昨年度とほぼ変わらない出願状況だったと言えます。
私立医学部に関しては、志願者数が昨年度より約1万人も増え、4年ぶりに10万人の大台を超えました。昨年度も前年度より約4,300人増加しましたが、増加分の大半は共通テスト利用入試の志願者でした。しかし、今年度は一般選抜の志願者が大幅に増えています。
その背景として、大学志願者数が減少するなかで、どうしても医学部に行きたいと考える受験生が高止まりしていることが考えられます。私立専願者は、受験スケジュールを立てるなかで、可能性を求めてより多くの大学に出願するようになり、国公立志願者も、新課程入試を避ける意味で積極的に私立併願受験に向かったためだと分析しています。
なお、私立医学部に関しては、1人当たりの受験校数は増加傾向にあり、倍率を押し上げていますが、受験者の実数は減少していますから、合格のチャンスは以前よりも広がっています。全国で10校舎運営している富士学院の合格状況をみても、偏差値が50台前半の生徒からも多くの合格者が出ていますし、60まで広げれば相当数の合格者がいます。これまでの合否データと比較しても、大学ごとの対策をしっかり行えば、合格の可能性はかなり高くなると思います。
また、学費の問題で私立医学部を選択肢から除外している受験生もいると思いますが、近年は給付奨学金を充実させたり、都道府県と連携した修学資金制度などを設定したりしている私立医学部も増えています。
たとえば、令和6年度入試において兵庫医科大学の場合、兵庫県の修学資金制度を活用すれば、学費の3,700万円に加え、生活費を6年間780万円出してくれます。また、東北医科薬科大学医学部でも、6年間の実質学費を400万円〜800万円にできる修学試験制度を備えており、国公立並み、あるいは私立理系並みの費用に抑えることができます。
こうした枠には、国公立志願者を含め多くの受験生が集まりますが、私立医学部では受験科目を4科目に絞ることができますし、出題傾向にも特色があるため、相性も含めてしっかりと対策をとれば、合格の可能性も増えるはずです。
《現役合格にはできるだけ早い段階から医学部を意識した学習を》
現役生にとって、中学や高校生活では、勉強以外の事にもかなりの時間が取られます。特に高校の授業は医学部入試を意識したもの、特化したものではないため難関の医学部入試に向けて、更には現役合格に向けては、なるべく早い段階から医学部を意識した学習が必要であり、“生徒”の状況を踏まえた生徒個々の具体的な受験戦略が必要となります。年々、難易度が上がっている医学部入試においては、どれだけ対策がとれたか、準備ができたかで、まさしく今後が決まってきます。そういう意味ではできるだけ早い段階からの準備が必要です。
《総合型選抜・学校推薦型選抜は大きなチャンス》
総合型・学校推薦型選抜は、2024年度の結果として国公立医学部は一般選抜の実質倍率3.3倍、また学校推薦型選抜(総合型含む)は3.1倍という結果でした。しかし私立医学部においては一般選抜の倍率13.4倍に対し、学校推薦型選抜(総合型含む)は6.0倍と、医学部を受験する上で推薦入試がいかに有利なのかがわかると思います。難関の医学部受験においては、総合型選抜・学校推薦型選抜を大きなチャンスと捉えて、積極的に利用することが大切です。なお、推薦に関しては問題や配点が非公表の大学もあり、事前の情報収集が不可欠です。また出願のための要件があり受験生が限られるため、出願資格を満たす受験生にとって合格のチャンスが広がります。しかし受験生が減っているとはいえ、難関の医学部合格を勝ち取るためには、医学部入試情報を含め塾や予備校の存在は必要不可欠です。だからこそ、どこの塾や予備校を選ぶのかはまさしく合否を分ける大きなターニングポイントとなり、その選択がその後の人生を決めるといっても過言ではありません。
《根拠のある説明ができる塾や予備校を選択しよう》
では、医学部受験のための塾や予備校は、どのようなポイントで選べばいいのでしょう。まずは、実際に足を運んでその予備校の環境を確認したうえで、納得のいく説明を求めることが大切です。「経営基盤が整っていることを含め、安心して勉強ができる環境なのか」「医学部入試情報を含め、医学部受験の学習環境があるのか」「メンタル面を含め、様々なサポート環境があるのか」「合格実績にうそや偽りがないのか」「医師になる自覚や覚悟を育める環境があるのか」など、生徒ご自身や保護者の方の厳しい目で、自身が学ぶ塾や予備校をぜひ選択してほしいと思います。とくに重要なのは、塾や予備校が出しているデータを鵜呑みにせず、根拠を確認することです。合格実績に関しても、のべ人数なのか、実数なのかをまず確認すべきです。可能であれば、その年度に何人在籍していて、そのうち何人が医学部に合格したのかを聞くといいでしょう。医学部専門予備校の場合、医学部に合格させることが使命であり、その大きな責任を担っているわけですから、表に出ている合格実績の中身についてはしっかり確認する必要があります。また実際にその塾や予備校に通った合格者の声や保護者の声も、塾や予備校選びにとって重要な要素の一つになります。とりわけ保護者からの感謝の声には大きな意味があると思っています。ただ単に医学部に合格しただけでは保護者の方がわざわざ感謝の声を寄せることがないからです。しかし、富士学院の場合には、毎年多くの保護者から感謝の言葉をいただいています。合格を果たせた喜びだけではなく、子どもの人間的な成長に対し感謝している声が多くあり、保護者のなかには「富士学院の1年間は神様がくれた宝物」とまで表現されている方もいるほどです。富士学院は、予備校の前にちゃんとした教育機関でありたいと常に思い行動していますが、その姿勢を評価していただいたものだとうれしく思っています。医学部入試は他学部とは違い、医師になるための入試です。そのことを常に念頭に置き、これからの勉強をしっかりと意識を持ってぜひ頑張ってほしいと思います。富士学院には、中学1年生から将来の医学部受験を目指して頑張っている生徒や、不得意科目や分野の克服、また総合型選抜・学校推薦型選抜の対策など、それぞれの目標を持ったたくさんの生徒達が学習に励んでいます。今後の事、受験の事、また大事な将来の事、ぜひ富士学院にご相談ください。ご希望の方にはオンライン相談も承ります。