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浪人生活を足踏みだと思っている人は多いと思うし、僕自身も初めはそう思っていました。だけど、浪人を重ねていく中で、浪人は少し回り道なだけでちゃんと前に進んでいることに気づくようになりました。今では回り道をしたお陰でたくさんの人々と出会うことが出来たので、逆に感謝しています。この出会いは自分にとって一生の宝になると思います。ただ、そうは言っても、浪人するということはやはり辛く、厳しく、苦しいことでした。挫折も何度味わったか分かりません。年下の人達にどんどん追い越されていく自分が情けないと思うこともありました。それでも、現実を受け止め、他の人より時間がかかったとしても、自分の納得の行くまで理解することに努めました。浪人生活はその積み重ねだと思います。
人生で全く苦労しない人なんていないと思います。僕たち浪人生は、その苦労が先にやって来ただけのことだと思えばいいんです。今、たくさんの挫折を経験し、苦労しておけば、これから先、また新たな壁にぶつかったとしても、必ず乗り越えていけると僕は信じています。
僕は6年間浪人しました。浪人が長くなるほど周りの期待も大きくなるし、その分、自分のプレッシャーも大きくなります。そんな時には、僕自信もやる気がでないことがよくありました。そういう時に、そもそも医師を目指すために浪人できること自体がありがたいことなのだと自分に言い聞かせ踏ん張りました。実際、本当に医師になりたいと思っているのに、様々な事情から医学部を諦め他の道に進む人も多いという話を聞きます。そういう人が、僕の周りにもいました。僕たちは、そんな人たちの想いも背負っていかなければいけないと思います。感謝の気持ちはここぞという時の原動力になるはずです。あと、長い浪人生活で苦労した人は、医師になりたい想いや、医学部受験の厳しさを後輩たちに背中で示せるような存在になって下さい。僕自身も先輩たちのそういう姿に引っ張ってもらったし、今度は自分がそうなる番だと思って頑張ってきました。
最後になりましたが、6年もの間、自分を見捨てず応援してくれた全ての人たちに、本当にありがとうございましたと言いたいです。これからもよろしくお願いします。